投稿

3月, 2017の投稿を表示しています

3/25 Lesson 自宅からのスカイプによるオンラインレッスンでリュネビル法のオートクチュール刺繡を。

イメージ
3/25のスクールの内容  今回は初の試みで、各ご自宅からのスカイプによるオンラインレッスンを致しました。個別のやり取りで今後やってみたい事のご希望などもお伺いしました。   今後やってみたい事   ● 既存の洋服の上にビーズやスパンコール刺繡をしていく方法が知りたい。→洋服の形や生地によっていくつかやり方があります。皆さんでやっていきましょう。 ● ビーズやスパンコール刺繡をしてドレスを仕立てていく方法が知りたい。→後半の半年でやっていきますので楽しみにしていて下さい。 ● 3次元の立体のものを作っていきたい。→今後スパンコールやビーズでも立体のモチーフを作っていきますし、ドレスに刺繡をしていくこともしていきます。 ● デザインなど自分のイメージしたものを形にしてみたい。→応用課題では、各自素材を決め、自由にデザインをしていきますので、個々の感性を生かして頂けたらと思います。  ●レースの柄や生地の柄に合わせた スパンコールやビーズの 刺繡をしていきたい。 →生地によっていくつかやり方があります。こちらもやっていきます。 ● リュネビル法以外の手刺繡もしてみたい。 →一通りのカリュキュラムが終了しましたら他の手刺繡のリクエストにもお応えしていきたいと思います。   クリムトの課題では顔の部分を担当されている方の刺繡がステッチによって絵の独特のタッチが現れていてとてもアーティスティックでした。 顔らしいラインが生きてます また2本から3本の糸を引き上げる刺繡をされた方もいらっしゃいます。3色の糸の色が交じり合ってキレイです。これはちょっと神業かもしれません。次回3本で引き上げる所を見せて頂きましょう☆   3本の糸で引き上げた刺繡→水色の糸の所 スパンコールの課題では、PC画面前で実演しながらスパンコールの刺繍の仕方をご説明させて頂きました。   ビーズの下にスパンコールの穴が隠れる間隔で キレイに刺繡されています     スパンコールの課題の後の、応用課題はご自身でイメージしたものを素材やデザインを決めて進めて頂いています。 デッサンは何が出来るのかワクワクさせてくれますね。 試験の練習をびっしりされて

スクールのコラム06 パリ・オペラ座の美しい煌めきと衣装

イメージ
コラム06 美しいものを見て涙が止まらなくなった事はありますか? 私は、小さい頃バレエをしていたという友人が、「今や“伝説”になっているルドルフ・ヌレエフ監督の舞台だよ!絶対行くべき!!」と勧めてくれてパリ・オペ ラ座の「白鳥の湖」を見に行った時が、まさに”その時” でした。当日券を求めて並ぶと、残っているのは最前列の後ろ。つまり2列目で‥‥ 値ははりましたが、思いきって買い‥‥ 幕が開いて10分後‥‥ 次々と流れ落ちる涙‥‥。  ロシア古典バレエの最高峰『白鳥の湖』。ヨーロッパに伝わる白鳥伝説をもとに、人間である王子と魔界との 出会いを描くこのストーリーは、数々の解釈・演出によって上演されていました。そしてこの時の演出を手がけられたのが、20世紀終盤、パリ・オペ ラ座の芸術監督として大きな足跡を残したルドルフ・ヌレエフ監督でした。ロシア出身の天才ダンサーでもあり、パリ・オペラ座の芸術監督として多大な功績を残されていました。  こんなに泣いているのは私だけかな?と、ふと隣の席を見ると、年配のムッシュも泣いていました。その空間に溢れるエネルギーが、熱くて強く輝いて、ただただ美しいのです。オーケストラの指揮者が導き、一人一人の演奏家の奏でるメロディ。ダンサーが動くたびに呼吸をしているかの様な錯覚に陥るステージ。ダンサーの筋肉の動き。その表現する心。照明が映し出す光と陰。全てのエネルギーが、共鳴し合い溢れ出して自分をも呑み込んでいく様な‥‥ 魂を突き抜けるような美しさが瞬きを忘れてしまいそうな瞳を濡らすのです。        バレリーナによる白鳥オデット=黒鳥オディールの踊り分け、ヌレエフ監督版ならではの王子の数々の見せ場や魅惑的な悪魔の囁き、そして世界の頂点を極めるパリ・オペラ座の壮麗で幻想的な白鳥たちのシーンなど、鳥肌が立ってまるで息が止まってしまいそうな瞬間が何度も押し寄せました。 「演出で踊ったLetestuと Martinezのコンビは素晴らしく、特にLetestu(女性ダンサー)の叙情的かつ高貴なOdette(オデット:ヒロイン)が頭抜けて美しい」と 監督は絶賛。ダンサーの衣装は踊るとかなり露出もありますが、身体や筋肉の動き・オーラ・

3/18 Lesson ビーズやスパンコールのオートクチュール刺繡を生かして自分でイメージ・デザインしたモチーフの制作

イメージ
3/18のスクールの内容 10月スタートクラスでは、先週と同じようにクリムトの課題が終了した方はビーズ・スパンコールの課題を進めました。 クリムトの課題では芸術表現を目的としており、個人の感性や個性を生かして自由に進めて頂いていますが、全体の構造のベースとなるアウトラインを描いて構築的に進められている方もいて、とても新鮮でした。 ビーズやスパンコールの課題では、同じ色や形のビーズで同じデザインの刺繡をしてみても、刺し方や間隔の取り方のわずかな差で違った雰囲気が出てくることをそれぞれの方の作品から学びました。また基本課題を終えた方は、自分でイメージ・デザインしたモチーフの制作に取り組まれました。ピンクの滑らかな優しい色のスパンコールを選ばれ、オリジナルのデッサンにイメージをかき立てられます。創造する喜びが伝わってくるものは、それ自体が相手の心を開かせてくれる様にも感じました。 その後、試験の練習という事で今回は初めて雪の結晶の刺繡をし、仕上がりの確認をしました。初めてでしたが、殆ど形にする事が出来ました。イニシャルとは違って角や交差するポイントが多いため手はかかりますが、その部分をくっきりと美しく仕上げていけるとさらにクオリティが上がっていきます。 1月スタートクラスでは、オリジナルイニシャル刺繡の課題に入りました。素材やカラーを自分で選び、イメージを膨らませデザインをしていきます。イメージやコンセプトを自分の中ではっきりと描いてブラッシュアップする事で、伝わるものや存在感が全く変わってきます。以下の2点が本課題のポイントになります。 ● 基本のステッチを繰り返したり異素材で応用し刺繡のクオリティを磨いていくこと ● 単なる糸の配置をするのではなく、心にイメージを描きながら刺繡をしていく事で、豊かな刺繡表現をしていくこと 一つ一つ愛情がこもっていくことで愛着も湧いて、額に入れたい様な素敵なものにもなっていくでしょう。世界観を心に描きながら進めていくと生き物のように生気をもった美しさや華やかさ、明るさ、優雅さなど、実に豊かな表現が可能です。刺繡芸術ともいわれるルサージュの刺繡をアートとしても楽しむ事が出来たら素敵ですね。   イニシャルTのデザイン(裏面) 今回は、「エルメスの手しごと」展に行かれた方が、パンフレッ

スクールのコラム05 クリエイティブなものづくりに触れながら、新たなセルフブランディングを

イメージ
コラム05 今回はスクールを立ち上げたときのエピソードを少しお話します。  学校をするつもりはありませんでしたが、フランスのオートクチュールの技術者が必要となりオープンすることになりました。10年の渡仏中には、パリのアトリエで、王室衣装から受け継がれてきたオートクチュールの高級注文服の仕立て技術を生かしてモナコ王妃ご成婚時のカクテルドレスやカンヌ映画祭衣装、ウェディングドレスなどを手がけてきました。そうした経験や技術を生かして、現場の即戦力となるスペシャリストを養成していこうと決めましたが、どうしても最初は不安がありました。 モナコ王妃カクテルドレス(モデル着用) ウェディングドレス そんな中で決断する時に背中を押されたきっかけのひとつは、現地の仏専門校や大学のインターン(研修)先として人気が出て、5年程で数百名の様々な国籍の方々が集ってきてくれたことです。技術と自信をつけ成長していく姿に感動しとても勇気を頂きました。 周囲の方々の支えも大きかったと思います。 そして 教育者としては未熟ですが、技術を伝えその人その人の個性と創造性が花開いていく事をサポートする喜びをカタチにしていこうと思いました。 その想いに共感してくださった方々の協力があって進みはじめました。 ショーの後 スタージュ(研修生)も一緒に   バックステージ クリエイティブスクールという名前にしたのは‥‥ フランスに足を踏み入れた時、街自体に心を自由にしてくれるような空気が溢れていて、魂が解放される様な感覚を覚えました。ファッションやアート・建築物・街全体にクリエイティビティが感じられるだけでなく、フランス人の日常はカップの置き方ひとつとってもアートに思えました。スマートだったりキュートだったり素朴でほんわかしてたり、ユニークだったり、エレガントだったり‥‥その人その人の生活や人生そのものが自由で、その人らしい魅力と創造性に満ちている事に衝撃を受けました。 それまでの自分は、どこか皆に合わせたり流行を気にしたりして、ここまで自分らしくあることに自由ではなかったからです。そして「人は自由にものを創リだし、人生を創り出していく事が出来る」というクリエイティブなエッセンスを学ぶ事が出来るスクールに出来たらと考えまし

3/11 Lesson 存在感のあるスパンコールやビーズ刺繡と色彩の鮮やかさが際立つ シルク糸の刺繡

イメージ
3/11のスクールの内容  10月スタートクラスでは、先週と同じようにクリムトの課題が終了した方はビーズ・スパンコールの課題を進めました。 クリムトの課題ではクリムトの独特の絵のモチーフの表現に合った新たなニュアンスや配色の表現がされていて新鮮です。サックス系の色の部分は2色の糸を一度に引き上げて刺繡されています。バランスの取れた刺繡から、さらに表現力の幅が拡がってきて完成が楽しみです。 辻さん(制作途中) スパンコールはフランス語ではパイエット(paillette)と呼ばれ、ドレス・バッグなどに縫いつける装飾用のごく小さな金属片やプラスチック片です。スパンコールは、ポリエステルやポリ塩化ビニルのフィルムに染料や顔料で着色したり、金属などを加熱・蒸発させ、その蒸気をプラスチックなどの表面に薄い膜として付着させたりなどして作られ、光を受けると、材質によってさまざまな色・艶に輝きます。 スパンコールやビーズも、同じデザインでも刺す人によって表現される微妙なニュアンスが違ってきます。わずかな糸の引き具合も0・数ミリの間隔や、作り手の想いまで敏感に感じ取って形になっていく刺繡。まるで生き物の様に、生き生きとした表情を見せてくれる。そんな所もステッチの刺繡と同じように刺繡の面白さですね。 その後、試験の練習という事でイニシャルの刺繡をし、仕上がりの確認をしました。皆さんの仕上がりのクオリティが回を重ねるごとに上がってきています。また、少し糸調子を緩めながらも安定した美しいステッチが描けるようになってきた方もいます。日々の繰り返しが実になっていっている事を感じさせていただきました。リュネビル法の針さばきは、自転車に乗れるようになる時の感覚と似ていて、手が慣れれば慣れる程、自由自在にどんどん刺していく事が出来ます。あと2ヶ月、スピードも上がっていくでしょう。  1月スタートクラスでは、スワンの刺繡の仕上げに入りましたが、素敵なサプライズがありました。 白で刺繡をされていたものを、もう一つ、黒で!刺繡されてました。 シルク糸は繊細な表現や色彩の鮮やかさが際立ちますが、刺繡の際は少し糸

スクールのコラム04 感動的な刺繡も!パリオートクチュールコレクションより

イメージ
コラム4  コレクション作品 今回は、パリオートクチュールコレクション(2017年1月)のショーで発表されていた各ブランドの新作の中から、ビーズやスパンコールの刺繡の施された作品を少し見てみましょう。 2017年s/sの オートクチュールコレクションでは、 中にはギリシャの女神の様なイメージ・インスパイアを受けたショーを発表するブランドも見られました。 4千年以上の昔から流れていたギリシャの精神の中には「愛の中に美と知が内包されている」と言われています。変化しながらも受け継がれ、ヨーロッパの文化や芸術にも強い影響をもたらしたギリシャの精神は、今でも新鮮な夢や憧れ、神秘的な空気を感じさせてくれます。   Valentine Valentine : 神秘的に流れるなプリーツドレスからはじまるショー。ヴァレンティノが守り続けてきた美しいシルエットに刺繡がちりばめられます。  Valentine Valentine Dior : マリア・グラツィア・キウリが手がける「ディオール」は、ホロスコープの刺しゅうなど幻想的なファンタジーの世界を表現。見入ってしまいます。  Dior Dior Chanel : ルサージュ(刺繡の老舗のアトリエ)の刺繡の技術が駆使されたシャネルの素敵なドレス達。  Chanel 制作風景   Chanel 動画では更にそれぞれのブランドのショーの世界をもっと味わう事が出来ます。 Valentine :  https://www.youtube.com/watch?v=wTxzPu1g2KQ Dior :   https://www.youtube.com/watch?v=41bn3Q_7js4 プレタポルテ(日常的な既製服)のコレクション(2017年3月初旬)ブランドのショーは約200余りあったかい手仕事を大事にしたブランドがあります。 NYコレクションから(前シーズンのショーですが‥‥) Rodarte :    https://www.youtube.com/watch?v=qxyyO522ct0 そして先日のロンドンのプレタポルテ(日常的な既製服)のコレクション(2017年3月初

3/4 Lesson リュネビル法のビーズ・スパンコールのオートクチュール刺繡 コツやポイント

イメージ
3/4のスクールの内容 10月スタートクラスでは、クリムトの課題が終了した方はビーズ・スパンコールの課題を進めました。  クリムトの課題では2色の糸を同時に引き上げて混ざり合った美しい色合いを出されている方がいました。2本の糸の引き上げはなかなかの技がいると思います。新たな試みも新鮮でした。(写真をいただいておけば良かったですね。出来たら撮って頂けると嬉しいです) スパンコールの刺繍に入られた方は、以下の様な内容をご説明しました。 ● スパンコールの準備(糸に連なったビースの移し替え方、止め方など) ● スパンコールを送る時のコツやポイント ● スパンコール刺繡の際のステッチの間隔やカーブの曲がり方 スパンコールはステッチの幅によって仕上がりの厚みや雰囲気が変わって来ます。今回は初めてなのでスパンコールの半径よりやや小さい幅で刺していただきました。 その後、試験の練習という事でイニシャルの刺繡をし、仕上がりの確認をしました。以前は40分くらいかかっていたものを練習を重ねて、21分くらいで(糸の処理とペーパーを外す所まで)仕上げられるようになった方もいらっしゃいました。どの方も滑らかなラインが描けていて、注意点はステッチ幅やラインの太い部分の糸の配列のみでした。細いラインのステッチは一本でもかまいませんが、2重(一本目の真上に重ねる)で刺繡出来ているとより美しくプラス点の要因になります。全体的なグレードも上がって来て、最初の頃の皆さんの刺繡を思うと成長ぶりをひしひしと感じさせていただいています。   1月スタートクラスではスワンの刺繡を進めました。以下の2点が本課題のポイントになります。 ● 針の刺し方や角度、糸の引き上げ、姿勢などの刺繡の基本的なフォームを身体に覚えさせる。(意識しなくてもそのようになっていくように) ● 手仕事の仕上げによる繊細な細いラインの表現。(アウトラインステッチを入れて) 針の角度や糸の引き上げが美しくなってきています。姿勢も出来るだけ真っ直ぐに出来るようになっていくと無駄な力が入らないようになっていくでしょう。2重(一本目の真上に重ねる)にする細いラインのステッチも細く美しく描かれ、凛としたスワンの雰囲気が出てきています。 こんな仕上がりになっていきます。(前のクラスの方の作品です)

スクールのコラム03  パリの素敵なお店。ビーズやスパンコールの”小さな博物館”

イメージ
コラム3   「ビーズやスパンコールの”小さな博物館”」 今日はリュネビル法の刺繡に使われるビーズやスパンコールの素敵なお店についてご紹介します。   その素敵なお店のはじまりは、100年以上前にさかのぼります。1886年のウィーンで当時20歳のギュスターヴ氏とオットー・フリード氏は、 パリのモードに夢中になり、また、ボヘミアンガラス細工の創造性に魅了されていました。二人は、パリのカイロ通り13番地を拠点地に決め、ビーズやラインストーンを、服飾デザイナーや、刺繍職人、手袋職人、婦人帽子デザイナーに向けて、販売していきます。  写真は1905年- パリのカイロ通りの店舗の前、フリード・フレールのスタッフたち。 1925年- ビーズ刺繍ドレスが大フィーバーした時代です。フリード・フレールは、有名ファッションデザイナー達に、厖大な量のビーズや、ラインストーン、スパンコール、カボションを供給 しました。 40年代(戦後)、会社は繁栄し成長し続け、商品のラインナップは、ビーズ、木製ボタン、パール、GALALITEへと展開し、事業範囲も拡大していきます。使用される材料は、プレキシガラス、ナイロン、ポリスチレン、AMBROLITE、そして世界中の新材料です。 50年代、そして60年代- フリード・フレール社は、虹色の新しいクリスタルビーズを売り出し、顧客たちを魅了します。 70年代、そして80年代- フリード・フレール社は、新しいデザイナーやパリの有名美容師達からの強い要望に答え、ビーズジュエリーと、ヘアーアクセサリーの新コレクションを創作します。 90年代- 専門家と、そして一般のお客様へのオリジナル作品の創作を展開します。 受賞 1925年-パリ、装飾美術展 『モードのためのファンテジー』グランプリ受賞 1928年-アテネのEXPOSITION 金賞受賞 1929年-カイロのフランス展、名誉証書受賞 1984年-ギャラリー・ラファイエット『フランスの所有する才能』展 1986年-『ファッション奉仕の百年』フリード・フレール社は100周年を祝い、経営者のジェラ-ル氏とベルトラン・フリード氏は、パリ市長ジャック・シラク氏より、パリ市から勲章を受章 新しい100年を迎え(創立100周年)、フリー