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2/25 lesson オートクチュールのビーズ刺繡と心に残るインプレッションや雰囲気

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2/25 lesson  前回のレッスンと次回のお知らせについてお伝えします。 前回同様にクリムトの課題が終了した方はビーズの課題を進めました。 クリムトの課題は写真を頂いている方のものを添付します。  那須さん(完成) ビーズの刺繡は左手でビーズを1つづつ送るコツをつかむと、かなりスラスラ進められる様でした。以下の内容についてご説明しました。 ● ビーズの準備(糸に連なったビースの移し替え方、止め方など) ● ビーズを送る時のコツやポイント ● ビーズ刺繡の際のステッチの間隔や角の曲がり方 ビーズ刺繡になって、それぞれの方があらためて姿勢や針の角度を見直されていて、刺繡をする手つきや姿そのものがより奇麗になってきました。初心に帰る良い機会だと感じました。 ビーズは、同じ種類のものでも厳密には一つ一つよく見るとややサイズが違います。(0.1ミリ〜0.01ミリなどのわずかな違いですが)そこで均一な感覚で刺繡をしたい場合には、ビーズの大きさに合わせてステッチ幅を変えます。 ビーズの大きさは、慣れて来て指先の感覚が冴えてくると、触った瞬間に大きさも感じるようになるでしょう。 そうした発見も楽しみかもしれません。 また様々な色や種類、大きさ、形のビーズがありますが、組み合わせやバランスで無数の豊かな表現が出来る事もビーズ刺繡の魅力です。 艶やかな煌めきと存在感もあり、あらゆる美しさ・世界観を表し出すことが出来ます。  そして心に残るインプレッションや雰囲気を醸し出す事となるでしょう。  クリエーションの醍醐味が一杯つまっていて‥‥。  夢がつまっていて‥‥。 創る事が好きな人にとっては、ときめきの連続かもしれません。 そんな中で刺繡されたら 一つ一つのビーズも生き生きとしそうですね。 誰かの心に残るものへと‥‥   今週も皆さんの一針一針が素敵な時間になりますように。 進捗状況を見てほしいという方や質問などある方はいつでもお声がけ下さい。 次回のスクールも前回と同じ西麻布の講習室で13:30からとなります。 *掲載されている作品・画像・文章などの無断転載・複製・デザインの利用は固くお断りします。* Copyright 2017株式会社エルスタイル,All Rights R

スクールのコラム02 フランス人のインターン生達からのサプライズ。パリのアトリエより

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コラム2   「心に残るインプレッションや雰囲気」について 前回のコラム1のインターン生の方達とも、  心に残る場面を共有させていただきました。 1ヶ月はあっという間なので、それぞれの方の得意分野で携わって頂きました。 最初は上手く出来ない事も繰り返す中で、コツを掴み出来るようになっていきます。 そうした中で知る事や形にする事に常に新しい発見をする様な喜びを見せてくれる彼らには 新鮮な風をも感じさせられました。 最も心に残ったのは、インターン生の彼らにモデルをしてもらう事になったときの事です。 丁度、背が高くすらっとした女の子と男の子に合いそうだという事と、またそれ以上に制作段階から共にイメージを深め描いてきたコンセプトを 彼らなら表現してくれるだろうと感じたからです。  お客様に光るベールの撮影の許可をいただき、ドレスはコレクションモデルの中から選び、メンズに関してはスタイリングのセンスを感じたので、花びらの指輪を作っていた彼に考えてもらうことにしました。 思った以上に喜んで、彼らの仕事はますますはかどっていきました。 撮影のアイデアの話題で持ちきりになりながら‥‥ 愛情がこもるとますます愛着も湧いていく様です。 何度も室内のライトを消し花びらのバランスを見ながら、とうとう完成へ‥‥  光るベール(お客様のお式の様子) 「C’est beaux‥‥」(キレイ‥‥)  そこには着る人にも見る人にも明かされる事はない 一つ一つの花びらをベールの上に咲かせてきた 一人一人のストーリーが凝縮されていて、何ともいえない一瞬、時間が止まった様な美しい光景が心に焼き付きました。 「俺は光らないんですか?!?」  「光りたいの ?!? 」  「当たり前ですよ!!ドレスはこんなに光るのに!」  撮影前日、 こんなやり取りになって、耳を疑いました。  なぜなら私たちは、どうしたらドレスが光るという所に彼らのテンションを持って行ったらいいか悩んでいたのですが、 彼らの意識はとっくに”光るコンセプトを表現する事に賭ける” そんな次元に飛んでいたからです。 慌てて翌日までにメンズ用の新たなライトを準備しました。  そして当日、夜の撮影のため学校やご家族の許可をいただき、時間をずらして午後からの準備が始まりました。 そして

2/18  lesson 芸術的なオートクチュールの刺繡表現。クリムトの課題

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2/18のスクールの内容 前回は最初に試験の練習という事でイニシャルの刺繡をし、細かなポイントや仕上がりの確認をしました。スピードを意識しながらも、滑らかなラインが描けていました。繰り返していく事で、手も慣れて来ますので、毎週続けていきたいと思います。 その後、引き続きクリムトの課題を進めました。 線で描かれるステッチが様々な色合いの糸で埋められて、絵としてのカタチになりつつあります。グラデーションの色使いも立体感のあるものになってきました。ザッと終わらせるのではなく、思った以上に丁寧に向き合い進めていかれる皆さんの姿に心打たれました。写真を頂いている方のものを添付します。 那須さん (もう少しグラデーションして完成)  田中さん(完成) 完成した方は、ビーズの刺繡に取りかかり、丸ビーズや竹ビーズのステッチに取り組みました。今までかなりステッチをこなしてきましたので、ビーズ刺繡に慣れるのもスムーズであるように感じました。  全体としましては毎回の事ですが、刺繍針を垂直に動かす事、姿勢などに心がける事や、スピードを上げていく事についてお伝えしました。イニシャルや雪の結晶の刺繡等、単調な繰り返しは飽きてくる事もあるかもしれませんが、フォームや無駄のない動き、リズムは繰り返していく程、洗練されていくでしょう。 以前にも少しお話しましたがフランス映画で「クレールの刺繡」という作品があります。クリスチャン・ラクロワの刺繡を手伝う事になった17歳の女の子のストーリーですが、美しい作品の素敵な制作風景等もご覧頂けますので、興味のある方は気分転換を兼ねてご覧下さい。 刺繡のひと時と共に、今週も皆さんにとって素敵な一週間になりますように願っています。 進捗状況を見てほしいという方や質問などある方はいつでもお声がけ下さい。 次回のスクールも前回と同じ西麻布の講習室で13:30からとなります。 *掲載されている作品・画像・文章などの無断転載・複製・デザインの利用は固くお断りします。* Copyright 2017株式会社エルスタイル,All Rights Reserved.

スクールのコラム01 フランス人のインターン生とウェディングのロングベール。パリのアトリエより

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コラム1      「単調な繰り返し」について 以前にこんな出来事がありました。パリのアトリエでフランス人のインターン生が来はじめた初日、ウェディングのロングベールに付けるシルクの花のモチーフを一緒に作って頂く事になりました。 「花びらは長いトレーンのベールの周囲を埋め尽くすもので、更に花の中にライトを組み込んで光らせたい。花嫁さんにも、また彼女を見る人たちも感動して頂 ける様な幸せが溢れる美しさをイメージして創り上げてほしい」と伝え、いくつも練習サンプルを作っていただき、その中でOKなものの基準を伝えて取り組ん でいただきました。 お洒落も何もかもアクティブで楽しい年頃の彼らが、花びらを立体的に重ねて縫いとめる作業を。元気な黒人の男の子が指に”rebelle fleur”と 書いて仕事をしていました。フランス語で意味はrebelle(反抗の/反逆的な)fleur(花)です。    楽しんでる様にも見えましたが、一日中だったのでイヤにならないかな?と思ったら、翌朝、その彼が、あまった花びらでセンスよく指輪とピアスを作って付け て登場し、何とも言えない新鮮な気持ちにさせられました。”rebelle fleur”は彼の大好きな歌手のリアーナのタトゥーに書かれていた言葉で、彼はまるでリアーナの衣装を手掛けるようなつもりで美しさをイメージして創っ ていたのでした。  そのベールはお客様に喜ばれるものとなり、ライトはサービスで付けたので希望しないなら光らせなくてもいいとお伝えしていましたが、付けられました。  単純な作業にも創造する 喜びや価値を見出すことが出来ると、楽しくなるばかりかシンプルな作業やステッチの一本にも美しさやオーラが出てくるのではないかと思いました。イニシャルや雪の 結晶の刺繡も単調な繰り返しですが、こうした形でシンプルな中にハッとする様な美しい瞬間を自らも感じたり、楽しんで表現していただけたら幸いです。  自分の表現を通じて、たとえ世界の一部でも美しさや幸せで彩りたい。届けたい。というようなピュアな想いは何にも変えがたい美しさになるようにも感じます。 *掲載されている作品・画像・文章などの無断転載・複製・デザインの利用は固くお断りします。* Copyrigh