3/11 Lesson 存在感のあるスパンコールやビーズ刺繡と色彩の鮮やかさが際立つ シルク糸の刺繡

3/11のスクールの内容 

10月スタートクラスでは、先週と同じようにクリムトの課題が終了した方はビーズ・スパンコールの課題を進めました。
クリムトの課題ではクリムトの独特の絵のモチーフの表現に合った新たなニュアンスや配色の表現がされていて新鮮です。サックス系の色の部分は2色の糸を一度に引き上げて刺繡されています。バランスの取れた刺繡から、さらに表現力の幅が拡がってきて完成が楽しみです。
辻さん(制作途中)


スパンコールはフランス語ではパイエット(paillette)と呼ばれ、ドレス・バッグなどに縫いつける装飾用のごく小さな金属片やプラスチック片です。スパンコールは、ポリエステルやポリ塩化ビニルのフィルムに染料や顔料で着色したり、金属などを加熱・蒸発させ、その蒸気をプラスチックなどの表面に薄い膜として付着させたりなどして作られ、光を受けると、材質によってさまざまな色・艶に輝きます。

スパンコールやビーズも、同じデザインでも刺す人によって表現される微妙なニュアンスが違ってきます。わずかな糸の引き具合も0・数ミリの間隔や、作り手の想いまで敏感に感じ取って形になっていく刺繡。まるで生き物の様に、生き生きとした表情を見せてくれる。そんな所もステッチの刺繡と同じように刺繡の面白さですね。





その後、試験の練習という事でイニシャルの刺繡をし、仕上がりの確認をしました。皆さんの仕上がりのクオリティが回を重ねるごとに上がってきています。また、少し糸調子を緩めながらも安定した美しいステッチが描けるようになってきた方もいます。日々の繰り返しが実になっていっている事を感じさせていただきました。リュネビル法の針さばきは、自転車に乗れるようになる時の感覚と似ていて、手が慣れれば慣れる程、自由自在にどんどん刺していく事が出来ます。あと2ヶ月、スピードも上がっていくでしょう。 



1月スタートクラスでは、スワンの刺繡の仕上げに入りましたが、素敵なサプライズがありました。
白で刺繡をされていたものを、もう一つ、黒で!刺繡されてました。


シルク糸は繊細な表現や色彩の鮮やかさが際立ちますが、刺繡の際は少し糸の扱いが難しいです。そうした中で最初は慣れなかった細くなっていくラインの強弱も2作目はより美しく仕上がってきています。 

深みのある漆黒の黒。素敵な黒鳥が描かれました。色によって全く違った印象が現れますし、作り手のイメージする世界。その魅力も感じられます。作品に込めるコンセプトやイメージとして描くもの、ビジョンによって、作品が違ってきます。フランスの刺繡芸術とも言われるリュネビル法は、無限の表現の世界でもあるでしょう。

次回のイニシャルの課題は、イメージやデザインから各自で創り上げていきますので、さらに独自の世界観やクリエイティビティが生きてくると思います。使用したい色や素材・表現したいイメージを固めて準備をしていって下さい。 



今週も刺繡のひと時と共に、皆さんの日々がクリエイティブな豊かさに彩られますように。
進捗状況を見てほしいという方や質問などある方はいつでもお声がけ下さい。
次回のスクールも前回と同じ西麻布の講習室で13:30からとなります。




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