3/31のレッスンの内容 オートクチュールコース

3/31のレッスンの内容 オートクチュールコース


オートクチュールコースでは引き続きドレスのドレーピングや仕立ての仕上げを進めました。ブルーのドレスも、仕上げの確認に入りました。




丹念な手仕事で仕立てられ、シンプルなデザインが内部のコルセットが引き締めるウェスト周辺からのスッキリしたシルエットを強調します。



コルセットのレースアップ部分(干物引き締め部分)は、16本のボーンで構成されウェストを5〜10㎝細くするほどの強い力がかかってきますが、両サイドの柔らかいシフォンの表地は全く横ジワなどが入らない綺麗な状態で仕上がりました。



ボーンが構成され精度のある手仕事がしっかりとされた事でこの様な仕上がりが実現しました。全く採算の取れない仕事でしかないようにも思えてしまいますが、そうした仕事は他の分野にも見られます。



世界中で世代を超えて使用されるようになったIphonも専門家によれば「我々がこんなデザインや設計をしたら生産現場から素人呼ばわりされて突き返される。それほどまでに生産効率を無視した作りだ。」と言われています。多数の内部の極小ネジは止める角度や方向がバラバラですが、日本では工程数やネジ止めの角度や方向を均一に統一する事が常識とされています。ユーザーには存在も知られない様な外部からは全く見えないもの。そうした“極小ネジに執念が見える“という様な、生産効率を犠牲にしてでも妥協しないもの作り。神は細部に宿るということの真実を物語っています。



オートクチュールの手仕事も、常にデザインからシルエット・素材・細部のディティールに生気をもたらし、ミリ単位まで美しさを極める仕事の連続になります。そしてさらにもう一方で、細部まで突き詰めながらも、ドレスや私たち自身を取りまく全てに・・・その”時”に。手仕事ならではの“心”。愛や感謝を込めていく情熱が、時代を超えて愛される様なものを生み出していくのかもしれません。

完成とするまで、美しさや洗練されたフォーム、柔らかな雰囲気といった美しさを生み出す可能性に限界はありません。思う様にいかない時は苦しくなることもありますが、その時には遠慮なくお声がけください。一つ一つの問題をクリアし、皆さんのクリエイティビティが生きる充実感や、形にする喜びを味わっていただけたらと思います。

16本のボーンで構成された内部コルセットの効果

今日も素敵なクリエーションをありがとうございます。
次回のスクールもこちらで行います。



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