3/3のレッスンの内容 オートクチュールコース
オートクチュールコースではドレスのドレーピングや仕立ての仕上げを進めました。仕上げの手仕事によって、ドレスの雰囲気がぐっと美しくなってきています。ひと針ひと針進めるごとに生き生きしていくようにも見えます。細部までしっかり縫い上げられた仕立ては、完成された安定感も出てきます。
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Elieux最初のレンタルドレス 仕上げのモチーフ付け |
今回はドレスをほぼ完成させ、既にトップのモデルに入られた方もいらっしゃいます。柔らかなトワルでラグランスリーブのモデルを組み立てられました。トワルの段階ですら、綺麗で目を奪われました。美しい仕上がりとなったドレスに続いて、どんなものになるかとても楽しみです。
ブルーのレースのドレスは、レースなしでシフォンだけでも着られそうな綺麗な仕上がりになって着たのではないでしょうか。完成までまだ細部の縫込みがありますが、シンプルなだけに極められてきた手仕事が映えます。シフォンの重みに手仕事の柔らかさが暖かな透明感をもたらすようです。
イエローのドレスはシルクや金のレースの質感が生き生きするような綺麗な仕上がりになってきました。一部ミシン縫い部分が大変だったかもしれませんが、その面影も見つけられないくらい美しいものになってきました。改めて、0.数ミリというようなさりげない手仕事ならではの配慮がもたらすものを感じさせられます。
そしてブラックドレスは、ドレーピングによるデコルテが形作られ、こちらも素敵な雰囲気が出てきました。ドレーピングを手伝ってくださる方も出てきてお二人のやりとりを嬉しく思いました。全ての方が、こんな風に自由に形にしていくことができる日も遠くないのではという感じもして、とてもワクワクしました。次々と新たなものが生み出していける日ももうそこまできているかもしれません。
そしてスカートのタックが素敵なXラインのドレスは、切りじつけをしながらタックのバランスや角度を確認していきました。こちらはいよいよこれからスカート部分も本縫いです。納得いくまでやり直されていましたが、タックのひとつひとつにもセンスが出てきます。諦めない限り、ご本人のイメージする美しさが生き生きと形になっていくことでしょう。
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Elieux最初のレンタルドレスのお客様 |
そして1月コースの方はドールのドレス製作に入られました。描いたデザイン画のイメージと素材の質感に触れながら、人形サイズで作りあげていく場合の難しさをクリアする方法を試行錯誤しました。どうしても生地の柔らかさや落ち感は、10分の1近くのサイズのドールサイズで出すことができません。逆に、ボリュームを出したり張り感を生かしたデザインには向いています。透明感のある素材が生きたものになっていくといいですね。
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最初のレンタルベール(お客様挙式) |
それぞれの方々の手仕事を通じて生地を溶け込ませ、なじませていく… 触れながら柔らかさをもたせる… 折り目正しくスッキリと、凛とさせる手の力。そんな魔法のような技術が磨かれつつある事を嬉しく思いました。プレタポルテの大量生産のドレスはかなり凝ったものでも生産枚数で換算すると一着あたり2〜3時間で作られていると言われています。それに対し、オートクチュールの一点もののドレスは、本当に贅沢な時間と手間のかけられたものですが、手の温かみはそれ以上の価値をもたらせてくれます。先立ってレンタルされたベールやドレスも手仕事ならではの魅力と手がけた人々の愛が一杯に込められた世界に一つの一点ものです。