3/17のレッスンの内容 オートクチュールコース

3/17のレッスンの内容 オートクチュールコース


オートクチュールコースでは引き続きドレスのドレーピングや仕立ての仕上げを進めました。完成された方、完成が近づいてきた方、どの方も、ドレーピングで全体の形を取るのに比べ、仕上げに向けて手仕事にかかる時間が長かったと感じる方は多いかもしれません。



既製服で同じようなデザインのものが作られると、工程やパターンが効率よくシンプルにセットされ一着あたりにかかる時間も数時間になります。数百着、数千着という生産量で割るため、時間も工賃も比べ物にならない価格になります。その意味では、同じ分野の商品とは思えないくらいですね。

仕上げの確認

今回のドレスのこのコルセットの縫製も、なかなか引き受けていただける工場がないくらい、手間と時間、正確さが求められます。パリの一部のアトリエでは、こうしたドレスの仕立てをされている名残もありましたが、日本では決して手慣れた仕事ではないでしょう。
内部にコルセット入り(16本のボーンで構成)

内部に16本のボーンが構成され、身体の骨格に合わせたボーンの配置がされています。外から見るとボーンは見えませんが、この内部構造によって肩ひもなどがなくても下がってくる事はありません。腹部の引き締めは、着物の帯を締めている時のような圧迫感がありますが、美しく立ち姿や姿勢を保ちます。身体に沿わせてレースアッツプの紐を3回ほど引き締めていくとウェストが5〜10㎝細くなります。

レースとリボンの位置を確認

襟ぐり、ダーツ修正

こうした内部構造によって、内側で締めているため表の生地は引っ張られて横じわが入ったりする事なく美しいシルエットをとどめます。全く採算の取れない仕事でしかないようにも思えてしまいますが、完成していくみなさんのドレスの、生き生きした雰囲気や、手仕事の訓練されて極められてきた柔らかさや、素材の生きた様を目の当たりにすると、改めてその価値を感じます。

ボタン付けの確認

糸ループの作り方や位置と大きさも確認


初めの手縫いの基礎の課題を思い返すと、わずか一年でこんなドレスが仕立てられてきていることが夢のようにも思えます。ドレスに隠された舞台裏の見えない仕事も、作業も生き生きしたエネルギーになり、手仕事ならではの生気が吹き込まれて、輝いているような気もします。

手縫いの基礎の課題


今日も素敵なクリエーションをありがとうございます。
次回のスクールもこちらで行います。


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