5/13 Lesson オートクチュールコース  素材の扱い、裁断、仮縫い、本縫い、仕上げを学ぶコースがスタート

5/13のレッスンの内容

今回新たにオートクチュールコースがスタートする事になりました。

オートクチュールコースでは一点もののオーダーデザインから形にしていく、素材の扱い、裁断、仮縫い、本縫い、仕上げ。このようなオートクチュールの技術を学びます。



今日は始めにオートクリュールの仕立てをしたドレスを実際に着せつけたり着用したりしてどんなものなのか見て触れて頂きました。内部に16本のボーンで構成されたドレスは身体の骨格に合わせたボーンの配置が成されています。外から見るとボーンは見えませんが、この構造によって肩ひもなどがなくても下がってくる事はありません。  


内部に16本のバレン(ボーン)が組み込まれたドレス
内部に16本のバレン(ボーン)が組み込まれたドレス


快適に着用出来る構造での腹部の引き締めは、着物の帯を締めている 様な安定感をももたらし、更に美しく立ち姿や姿勢を保ちます。バックのレースアッツプはドレスのデザインによってみせるものもあれば内側に隠すものもあり ます。最初に身体に沿わせて来た場合から引き締めていくとレースアップ部分の幅だけでもかなり細くなりました。 


身体に沿わせて引き締め 1回目
引き締め 3回目
更に両側で60㎝(片側で30㎝)以上引き締められました。もっと締められますが、今回着用下さった方の身体のサイズ自体が小さかったため、レースアップの引き締めの限界に来てしまいここでとどめました。





その後は、実際に仕立ての基本となる生地の「地直し」をしました。生地が織られた時に出てくる縦糸と横糸のゆがみや癖をとっていきます。何度も確かめながら、整えていきます。地直しは、安定した服の仕立てをするのに欠かせない工程です。立体で服のフォームを創り上げていく時、仕立ての時にデザインや生地の性質を考慮しながら行います。 


縦糸と横糸の流れを見ながら地直し
 
地直しをした生地を使って手縫いの基礎練習をしながら、ランチョンマットを作成しました。様々な手縫いの技法がありますが、今日はぐし縫いという並縫いの様な縫い方を。どのような時に使うのか、また針のすすめ方や生地の持ち方など、職人の手つきを手に覚えさせていく様に実践していきました。一本の手縫いでも、それぞれの方の個性が現れて愛らしさが感じられました。 



 


服の仕立てや製図などをしていると、0.5ミリなど1ミリ以下の寸法にまで配慮していく事があります。そのくらいでは見た目も変わらないないのでは?という風にも思えますが、そうした配慮が繰り返されて仕上がったものの醸し出す雰囲気は、とても柔らかいものになります。それは神経質になって追求するというよりも、どんな角度で、どんな位置で、どんな風に生地に触れていってあげたらこの服が生き生きとするのかな?着る人を心地良く包み込むのかな?という愛情です。


共布の葉っぱをあしらったドレス Elieux

そうしたささやかな配慮が結晶されていき、ハッとする様な美 しさをもたらします。ここに、機械には出来ない人の手仕事の無限の可能性もあります。一つの芸術を生み出す様に、価値ある唯一のものが形作られていきま す。上下の写真のドレスも一枚一枚の葉っぱを手縫いでふんわりと形作って、一枚一枚手縫いで縫い止めていったものです。一枚の生地から生まれました。少しでも立 体的で柔らかな、生気‥‥。


一枚一枚の葉っぱを手縫いでふんわりと形作ったドレス


皆さんの一針一針進めていく姿に、そうした生き生きとしたドレスを手がけていく事が出来るような希望や期待も感じさせて頂きました。一つ一つ楽しんで進めていってもらえたら幸いです。


次回のスクールも前回と同じ西麻布の講習室で15:30からとなります。






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