スクールのコラム14 クリエイティブに運命を拓く未来へ 映画より


コラム14

役者の魂がむき出しになって、霊感のない人でもゾッとしてしまうかも‥‥。「君のまなざし」という映画を見ました。作られた映画とわかっていても、本当に何かが”乗り移っている”感じがして‥‥。そこは思い出すと二度と見たくない気もするのですが、最後には不思議と霊的な世界は怖いどころか普通の事で‥‥あるいは美しくもあり‥‥ 涙しました。

美しき霊性への覚醒という視点では、ダ・ビンチ、ミケランジェロ、ラファエロ‥‥ルネッサンスの美を司る芸術家達は、神を求め続け神の美を表現するために様々な表現に挑んで来たと言われています。仕事前と後、教会に通って祈る。神の美の神秘の世界を現し出すために‥‥そんな神を求め愛する日々から、世紀を超えてその美しさが讃えられる傑作を生み大きな影響を与え続けています。 

  
イタリアでルネッサンスの芸術文化が開花したフィレンツェ


レオナルド・ダ・ヴィンチは、音楽、建築、数学、天文学、光学‥‥など様々な分野に顕著な業績と手稿を残した天才と言われ、一説には宇宙技術をも解明し、宇宙人を飼っていたなどとも言われています。ルネサンス期の芸術家の評伝(後世の美術史の原型)を書いたジョルジョ・ヴァザーリ(1511年- 1574年)によれば、ダ・ヴィンチの描いた『モナ・リザ』は、「その微笑は魅力的で、人間ではなく神が浮かべているようにみえる。この絵画を目にしたものは、まるでモデルが生きているかのように描かれていることに驚くことだろう」と評しました。


ダ・ヴィンチ「モナ・リザ」
 
ミケランジェロは次の様な名言を遺しています。
I live and love in God’s peculiar light. 私は神の特別な光のなかで生き、そして愛す。
I saw the angel in the marble and carved until I set him free. 私は大理石の中に天使を見た。そして天使を自由にするために彫ったのだ。

 
ミケランジェロ「ピエタ」(キリストを抱く聖母マリアの像)


 ラファエロの《緑野の聖母》は、宗教の異なるいかなる国の素朴な 人々をも感動させました。彼の芸術が、宗教の大衆化するバロック期に、どれほどの権威をもって君臨するかをのちの歴史にみるなら、彼が後世で果たした役割 の大きさのきわめて多くがその大衆性に根ざすものだった、ということがわかろう。(RAFFAELLO ラファエロ 新潮美術文庫3より)

ラファエロ「緑野の聖母」



レオナルド・ダ・ヴィンチの名言に、「美しいものと醜いものはともにあると互いに引き立て合う。」というものがありますが、映画の中では、憑依する存在の醜悪と、その存在を見破り本来の自己を取り戻す存在の神性な輝き。その両面が描かれる演技や表現力に圧倒されます。


映画「君のまなざし」より

宗教性の高い映画には悩みや人生の問題を解決するヒントなどがこめられていますが、この映画はそうした過程を飛び越えて‥‥。一瞬にして人間の存在自体、あるいは自分に降り掛かる厳しい問題が、どれほど貴重な宝だったのかという「価値観や思考の逆転」が起きてきます。
まさにルネッサンスの芸術家達が成してきた”美しき霊性への覚醒”でもあるかもしれません。

時間と空間が行ったり来たりするストーリーには、過去を回想しているだけではなく、人間はこの宇宙で同時に複数のパラレルを自分の心の在り方によって行き来し、生きている存在なのだという事も感じさせられます。「運命は自ら切り拓いていける」のだという事を実感し、本来の神性な魂を目覚めさせるようなエン ターティメントでした。



現 代にもルネッサンスの時代のように世紀を超えて愛され続ける芸術や、様々な表現が出て来ている。あるいは、出てくる事でしょう。2020年のオリンピックを 目前にした今、スポーツをはじめ様々な分野で“神ってる“人々が日本や世界で煌めく存在として現れ‥‥。新たな時代が創造されていく事も楽しみ だなと感じました。
ひとりひとりがクリエイティブに
運命を拓いて‥‥。





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