4/1 Lesson シャネルやディオールなどでも生み出されているデザイナーのクリエイティビティに応える新しい刺繡技法
4/1のスクールの内容
10月スタートクラスでは、クリムトの課題が終了した方はビーズ・スパンコールの課題を進めました。
クリムトの課題では顔の部分を担当されていた方が完成されました。更に顔全体を刺繡で埋めてからハンドステッチでなじませて仕上げをされました。小さな配慮ですが、グラデーションに柔らかな雰囲気が出てきた様に感じます。ステッチの流れに味のある優しい仕上がりになりましたね。
クリムトの課題:顔の部分 |
スパンコールやビーズの刺繡は今まで使っていなかった左手も同時に動かしていく事になりますので、慣れるまでは少し大変ですが徐々に動くようになっていきます。パーツを移すときの糸の結び方や、パーツの送り方など説明の後、順にやってみて感覚的につかんでいただきます。
応用課題でやってみたいと相談された羽があり、大きさ的に羽の一枚一枚の表現が難しいというお答えをしました。
しかし、羽のイメージが伝わって来たので気になって、いろいろ試してしてみました。重ね合わせたり、輪郭を描かずに並べ‥‥結局ステッチ部分は4本のスパンコールのラインが並ぶだけのシンプルなものになりました。少し描いていたものと違うかもしれませんが宜しければ今後の参考にして下さい。
参考:翼‥‥スパンコール刺繡の細かいステッチを
大きくしていき、それを4列ならべたもの
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1月スタートクラスでは、イニシャルのデザイン課題に入りました。イメージやデザインから各自で創り上げていきますが、ベースの形が出来上がってきましたね。さらに色や素材のイメージを固めて進めていって下さい。
上の写真のような「ステッチのフランス語名が知りたい」という質問がありましたのでお答えさせて頂きます。
日本語ではサテンステッチと呼ばれています。フランス語では刺繡のステッチ名としては Point de passé plat(ポワン・ドゥ・パッセ・プラ)と呼ばれています。直訳すると「平らな移動のステッチ」という様な意味になります。
しかし更にそのサテンステッチには、Petal Satin(ペタルサテン)「花びらのサテンステッチ」や, Bud satin(ブッド サテン) 「芽のサテンステッチ」Pointed Leaf(ポワンテッド リーフ)「リーフ(葉っぱ)ステッチといった様々な名称があります。名前自体もそのままシンプルで可愛らしいですね☆
そして今回のリュネビル法によるサテンステッチは私たちのアトリエであみ出したものでもあります。リュネビル法の針さばきに慣れると、手刺繡のサテンステッチよりも早く出来る所が特徴です。また両サイドに小さなステッチを入れる事で輪郭がついて生地のチ縮みが防げるのも特徴です。リュネビル法の生まれた街や刺繡に敬意をこめて 「リュネビル サテン」または「サテン リュネビル」と言ってもいいかもしれません。
シャネルやディオールなど、多くのメゾンでもこのように伝統技術から更に、デザイナーの鮮烈なクリエイティビティに応える新しい手法が次々と生み出されています。 今回のエピソード(P.S. 07)ではその事について触れてみましょう。
良い質問をありがとうございました。
ステッチ一針一針やパーツで点と点を繋いでいく。一片のス パンコールやビーズ・ステッチから何かが生まれる。技術を磨く事でMains d'or マン・ドールと呼ばれる「金の手」(価値ある技術を誇る手という意味)を手にすると、自由に表現する事がますます楽しくなっていくでしょう。 描いた未来が現実になっていくように‥‥。
今週も刺繡のひと時と共に、皆さんの日々がクリエイティブな豊かさに彩られますように。
進捗状況を見てほしいという方や質問などある方はいつでもお声がけ下さい。
次回のスクールも前回と同じ西麻布の講習室で13:30からとなります。
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